手術を受けたことはありますか ? 何のためですか ?
7年前、貧血を治すために子宮筋腫を取る手術をしました。
毎回の月経の出血量がかなり酷く貧血がひどい状態でした。手術を勧められてはいましたが、どうしても勇気がもてず、何年もしんどいまま仕事や家事、子育てをしていました。
そんなある日、実母のガン再発が発覚。前回のガン手術から、まだ5年も経っていない…母には言えなかったけど、今回は覚悟がいるかもしれないと感じていました。
今の体力じゃ、母のことをちゃんと看てあげられないかも…
そう思い、意を決して手術をすることに決めました。
「子宮筋腫の手術は、空きがないからすぐには難しいてすよ、、」とかかりつけ医さんから言われながら紹介してもらった大きい病院に行きました。
何ヶ月後になるかな…と思っていましたが、「腹腔鏡手術なら来月空いてますよ。3泊4日です」とのこと。
そんな!ラッキーな!
迷わず予約を入れました。
手術当日。母の病気にとことん付き合える体になるために決めた手術。
しかし、母は「大丈夫だよね、付き添いに行かなくても。(寝たきりの)お父さん見てないといけないし」と。私のことは、そんなに心配ではないようでした。
まあそうだけど…なんだかんだ言って、毎朝モーニングを食べに喫茶店へ行ってるじゃない。そのモーニングと同じ時間ですけど…と少々拗ねた気持ちにもなりましたが、それは母が元気な証拠。主人がいるからまぁいっか!と手術室に向かいました。
麻酔は、帝王切開の時に経験済み。麻酔の注射の前は緊張しました。鈍い痛み。程なくして、下半身は、手で触っても全く感じません。手には感触があって足にはない。なんとも奇妙な感覚です。
そして、いよいよ始まりました。
器具を置く乾いた音がなんども響き、切り取っている時の嗅いだことのない匂いが漂う中、なぜか気持ちはすごくリラックスしていました。ドラマに出てくる手術室と同じだ…なんて思いながら部屋の中を見回したりして…
子宮の中が映し出されているであろうモニターは、看護師さんが自分の体を盾にして私から見えないよう配慮してくださっていました。
麻酔がかかるまで30分、手術30分、麻酔が切れるまで30分。計1時間半の手術でした。
結果、貧血はすっかり良くなりました。こんなに体が軽やかに動くなんて!!もっと早く手術しておけばよかった…と思いました。
再発が発覚しても元気でいた母。手術の傷の痛みがなくなった頃、母のがん細胞は動き始め、日に日に元気がなくなっていきました。
私は職場に事情を話し、無期の休みを取り、母と毎日過ごしました。しんどそうな母に寝ないで付き添う日も続きました。
ショートステイにお願いしていた父の養護施設と母の病院を行き来する毎日。
子宮筋腫の手術から10ヶ月後、母は他界しました。
体力が回復してなかったらとても動けなかったと思います。
手術を決断するまでは何年もかかり、母のことがなかったら、手術してなかったかもしれません。
でも、健康を取り戻したことで母との時間を大切にすることができました。心から手術して良かったと思っています。